ここには数行以内で答えられる FAQ を書いていきます。
- 起動しなくなってしまった!
- 設定ファイルが壊れたり、整合性が取れなくなってしまった可能性があります。その場合、ユーザーフォルダ の内容(Painter X 以降は使用中のワークスペースの内容)を初期化することで起動できることが大半です。(Painter IX 以降、Painter Essentials 3 以降が該当します。)
起動時に Shift キーを押し下げたままにすると、Painter が自動的に ユーザーフォルダ の内容を消去して、設定が初期化されます。カスタムブラシなどを作成してあって、とりあえずどのファイルをバックアップしたらいいのか、とか考えたくない場合は、ユーザーフォルダをリネームすれば Painter から見えなくなるので、消去したのと同じです。ワークスペースもリネームすることで「消去したふり」ができます。 - Painter の反応が重いとき
- 処理が重い原因となる可能性がある次の機能をできるだけオフにします ― 「環境設定」-「一般」の「ブラシゴーストを有効」、かつ「ブラシゴーストの強化」(Painter X 以降)、同じく「ズームアウト時はアンチエイリアス表示」。
- また、キャンバスの移動や回転などが重くなったらレイヤー数をできるだけ減らすようにします。
- キャメルヘア系統のブラシを使うときは キャメルヘア系ブラシの注意点 も確認してください。
- 線画を透明レイヤーにするには(線画抽出)
- アナログで描いてスキャンした線画や、キャンバス上で描き始めたためにキャンバスにある線画を透明レイヤーに変換するには、まず線画の濃さやコントラストの調整、ゴミ取りなどをした上で、「選択」-「自動選択」を参照元を「画像の明るさ」にして実行。選択範囲がある状態で新規レイヤーを作成し、新規レイヤーを濃い色で塗りつぶす。選択範囲を解除後、キャンバスは白で塗りつぶすか、全選択して消去。図解は ここ にあります。
- Painter Essentials 系で「自動選択」が使えない場合は、クローン機能で線画をフィルタレイヤーに変換すれば線をつぶさずに着彩できる。詳細は Charako House の この解説。
- ブラシバリアントの数が多すぎて持ち替えが面倒
- カスタムパレット によくつかうブラシバリアントを登録しておくと、ブラシの持ち替えが簡単。同じように用紙テクスチャやパターンも登録できます。
- レイヤーマスクの使い方がわからない
- Charako House の ペインター講座 に詳しい解説「レイヤーマスクを使って 前編・後編」(前編 HTML、前編 PDF、後編 HTML、後編 PDF)が掲載されました。市販の解説本のような(そして既存の本より詳しい)PDF バージョンもあります。
- プラグインフィルタを使いたい
- Painter では「Photoshop 互換」タイプ(Photoshop 専用と違うもの)のプラグインを使うことができます。PaintShop で使えるものは Painter でも使えます。
- プラグインファイルは、Painter IX まではアプリケーションフォルダ(Painter をインストールしたフォルダ)の Plugins フォルダの中に入れます。グループごとに別フォルダにしても可。Painter X 以降では、アプリケーションフォルダの Support Files/Plugins フォルダに入れます。フォルダがなければ作成します。ファイルを入れるのではなく、ショートカットも可。詳細は Charako House の ペインター講座 にある「ペインターでフォトショップのプラグインフィルタを使ってみよう」という記事を参照。
- Painter 12 の 64bit バージョン(64bit OS にインストールすると強制的に選択されます)では、まだプラグインには対応していません。
- 白以外の紙(キャンバス)を使いたい
- 「新規」イメージを開くときに、ダイアログのサイズ指定の右側の「ペーパーカラー」から色を指定すると、これが紙の色になり、消しゴムで消したときにこの色にもどります。
- 途中からキャンバスの色を変更したいときは、目的の色を選択色にした上で「キャンバス」-「ペーパーカラーに設定」を実行すると、消しゴムで消した部分が指定色に変更になります。必要に応じて余白はバケツ(塗潰し)ツールや、「編集」-「塗潰し」(Painter X までは「効果」-「塗潰し」)で色を変えておきます。
- ペーパーカラーに設定しても変化がない
- 「キャンバス」-「ペーパーカラーに設定」を実行しても、現在キャンバス上にあるピクセルの色は変化しません。現在見えているものがすべて絵具に変換され、その下に新たに選択色のキャンバスが作成される、と考えてください。この設定により、消しゴムで消した部分は新しいペーパーカラーになります。
- 新規イメージをカラーマネジメント・オフで開きたい
- テンプレート機能 を使います。よく使うサイズ(ペーパーカラーや解像度も指定)でファイルを作成し、ドキュメントウィンドウのウィジェット(ウィンドウ枠の右上の小さい「カラーテレビ」のアイコン)をクリックして、カラーマネジメントをオフにした上で、テンプレートとしてわかりやすい名前で保存しておきます。
- 作成できるイメージの最大サイズは?
- このあたり の情報によると、設定可能な最大キャンバスサイズは 16382 x 16382 ピクセルとのこと。ただし、レイヤー、デジタル水彩の特殊レイヤー、インパストの特殊レイヤー、アルファチャンネル情報などがふえればデータが大きくなるので、このキャンバスサイズでの編集続行が可能かどうかは不明。
- 前のバージョンにあったあの機能がみつからない
- メニューから消えても機能は残っているものがほとんどです。たとえば ColorTalk (非公式機能なのでヘルプはなし)は、以前はショートカットキー N でアクセスできていましたが、Painter IX.5 以降では N が「消しゴムツール」への割り当てになって、初期状態ではアクセスできなくなりました。このような機能でも キー設定 を割り当てることで使えます。
リファレンスレイヤーについて数値指定して回転やリサイズできる「変形設定」ダイアログについても同様です。 - ブラシの設定をいじったけど元にもどしたい
- プロパティバーの先頭のブラシアイコンをクリック。
- 透明レイヤーで白や黒が混じらないようにしたい
- 透明レイヤー上で混色するブラシを使うと、透明部分から引いたストロークに白が混じったり、「透明度をロック」状態にしている場合は黒が混じるという現象があります。これは古いタイプのブラシへの「透明」への対応が不十分なため。Painter X 以降のリアルブリスル(描点の種類が 混色キャメル系)や、Painter IX 以降のアーティストオイル(描点の種類が アーティストオイル)を使うと回避できます。
- 「透明度をロック」のときの黒ひきずりについては、レイヤーパレットからのオン・オフではなく、レイヤーメニューの「透明度からレイヤーマスク作成」を実行してレイヤーマスクによる透明度ロックをかけると回避できるもよう。
- この問題については 透明レイヤーで白ひきずりを回避したい でより詳しく解説しました。
- アーティストオイルやブレンドブリスルの色が薄い
- ブラシの「描点の種類」が アーティストオイル や 混色キャメル系 の場合、設定によってはキャンバスの色を多めに拾うので、キャンバスが白いと色が乗りにくく感じることがあります。最初から透明レイヤーを作成し、その上に描くと白が混じりません。
- 鉛筆やチョークなどでテクスチャがちゃんと出ない
- テクスチャが出るはずのバリアントでテクスチャがほとんど出ない場合、筆圧を強く受け取りすぎていないか確認してください。「環境設定」からブラシトラッキングをやり直します。このとき、弱い筆圧から強い筆圧まで強弱をつけて入力するように注意。
- 鉛筆で白でハイライトが入れられない
- 鉛筆の種類にもいろいろあります。手法が「塗潰し」のもの(バリアント名に「塗潰し」と入っているもの、Painter 11 なら「リアル」と入っている鉛筆も塗潰し系)を使えば、より明るい色で上から描くことができます。白で描けない「重ね塗り」系は独特の発色のために使うもの。
- 鉛筆でレイヤーの上に描くとストロークの境界のギザギザが目立つ
- 重ね塗り系の鉛筆で透明レイヤーに描き始めると、レイヤーの合成方法は自動的に「フィルタ」になります。フィルタは Painter 特有の不透明度が小さくても濃く見える合成方法。レイヤーの合成方法を乗算に変更するとギザギザが目立たなくなります。
- キャメルヘア系ブラシでサイズを大きくしたら重すぎる
- レンダー処理をするキャメルヘア系のブラシは、ブラシサイズが 2 倍になれば、計算処理する筆の毛の数がその 2 乗の 4 倍になります。サイズが 3 倍なら 9 倍。重くしないためにはサイズを控えるか、「密度」で毛の間隔をふやして毛の本数を減らす必要あり。
- 該当するのはキャメルヘア、フラット、ブリスルスプレーなど。(単なる「ブリスル」は非レンダー系。)
- レンダー系ブリスルはブラシコントロールの「一般」パレットの一番下の「ブースト」を上げることで、少し処理を早くする(処理を間引く)ことができます。
- ブラシコントロールでグレーアウトしている項目がある
- ブラシ設定をカスタマイズしようと、ブラシコントロールパレット(あるいはブラシクリエータ)を開いたとき、特定のセクションでスライダその他がグレーアウトして設定できなくなっているのは、そのブラシのタイプ(「描点の種類」、「手法」その他)がその項目には対応していないから。バグではありません。XML ファイルを編集すればすべての項目が変更できますが、対応していない項目はブラシ設定として無意味なので挙動に影響しません。
- 水彩で「レイヤー全面をぼかす」を選んでも反応がない
- レイヤーメニューにある「水彩レイヤー全面をぼかす」と「デジタル水彩をぼかす」のぼかしの量は、それぞれ現在選択されている水彩ブラシ、あるいは、デジタル水彩ブラシの設定によって決まるので、このコマンドを実行する前に目的に合ったブラシバリアントを選択しておく必要があります。
- インパストブラシストロークの厚みだけを消したい
- 「インパスト」カテゴリの「消しゴム(奥行き)」を使うと平らにできます。
- 通常のブラシとデジタル水彩を分けて消したい
- 消しゴムツールではなく、ブラシツールから「消しゴム」カテゴリの「消しゴム」を使うと通常のブラシストロークのみ消え、デジタル水彩は残ります。「デジタル水彩」カテゴリの「水彩消しゴム」を使うと、デジタル水彩のブラシストロークのみ消え、通常のブラシストロークは残ります。
使いかた全般
ブラシと描画
選択範囲とシェイプ
- 選択範囲があるのに、「選択」-「選択範囲の調整」の下の「拡大」や「ボーダー」が選択できない
- マジックワンドや自動選択で作成した選択範囲は「マスクベースの選択範囲」(ラスターデータ)なので、中間的な濃度を切り捨てた「パスベースの選択範囲」(ベクターデータ)に変換しないと上記のようなコマンドが使えません。「選択」-「選択範囲の変換」で実行。
- 選択範囲を正確に微調整したい
- 「選択」-「シェイプに変換」を実行後(必要であれば、レイヤーリストで変換されたシェイプをダブルクリックして属性を変更)、シェイプ選択ツール(白い矢印アイコン)などでそれぞれのポイントを編集。使用するときに選択範囲に変換して戻す。
- 別のアプローチとして、チャンネルとして保存し、そのチャンネルをブラシで編集する方法がある(ユーザーガイド参照)。
ファイル保存関連
- 透過 PNG を保存したい
- Painter 11 から PNG ファイルの読み書きができるようになっています。透過 PNG を作成するには、レイヤー上に描画して、保存の前にキャンバスを非表示にしたうえ、保存ダイアログで「PNG」を選択して「アルファ情報の保存」にチェックを入れて保存します。
- この話題は 透過 PNG ファイルを作成したい でより詳しく解説しました。
- ライブラリアイテム(ブラシ含む)を保存するダイアログで「OK」ボタンがグレーアウトしてしまう
- 名前が長すぎます。ライブラリのアイテムの名前は、半角で 23 文字までです。
- カスタマイズして保存したブラシが見つからない
- ユーザーが保存したブラシバリアントは ユーザーフォルダ の中のブラシフォルダにあります。
Windows システム関連
- RIF ファイルの関連づけを変更したい
- 複数バージョンの Painter をインストールしたとき、関連づけが意図したのとずれてしまうことがありますが、修正はけっこう複雑で、レジストリでそれらしい項目を編集してもうまくいかなかったりします(というのを経験しました)。そんなときは 拡張子から行こう♪ My関連付け というツールですっきりするかも。Windows XP まで対応。
- 起動するとパレットやキャンバスが水色で使えない
- Windows の「画面のプロパティ」でディスプレイの「画面の色」を 24 ビット以上(True Color)に変更してから Painter を起動しなおします。あるいは、Painter の「環境設定」ー「オペレーティングシステム」で「デバイスに依存しないビットマップを使用」にチェックを入れてから、Painter を起動しなおします。Painter X 以降では必要な場合は自動的に「デバイスに依存しない」設定になるようです。
(Last Update: 2011/05/18)