ブラシ設定 パラメータ一覧

以下は Painter 11 の情報です。以前のバージョンにはない項目もありますが、それぞれの項目については基本的に最初に搭載されたときから機能の変更はありません。

このページは必要に応じて分割などする予定。まだまだ作業中。リンクで赤い文字になっているものは、まだそのページがない項目です。

以下、ブラシコントロールのセクション(Painter の画面で「ブラシコントロール」を表示したとき、個別のパレットにわかれるパラメータのグループで、「ブラシクリエータ」画面に切り替えたときは、左側にタイトルだけが並び、内容は右ペインに表示される)ごとに分けてリストしました。

リスト順は Painter での並びのとおりで、基本的に古いバージョンからあるものが上、新しく搭載されたものが下になっています。

描点ベースのブラシ

  • Circular / 円形
  • Single-Pixel / 1ピクセル
  • Static Bristle / ブリスル
  • Captured / 取り込み
  • Eraser / 消しゴム

レンダリング処理によるブラシ

    • Camel Hair / キャメルヘアー
    • Flat / フラット
    • Palette Knife / パレットナイフ
    • Bristle Spray / ブリスルスプレー
    • Airbrush / エアブラシ
    • Pixel Airbrush / エアブラシ(ピクセル)
    • Line Airbrush / エアブラシ(線状)
    • Projected / エアブラシ(楕円)
    • Liquid Ink Camel Hair / リキッドインクキャメルヘアー
    • Liquid Ink Flat / リキッドインクフラット
    • Liquid Ink Palette Knife / リキッドインクパレットナイフ
    • Liquid Ink Bristle Spray / リキッドインクブリスルスプレー
    • Liquid Ink Airbrush / リキッドインクエアブラシ
  • Watercolor / 水彩系統 ― 「水彩」ブラシカテゴリは、この水彩系統のものと、描点ベースに 水彩(手法) を組み合わせたものとの、二種類からなっています。また、「デジタル水彩」は描点ベースに デジタル水彩 の手法を組み合わせたものなので、「描点の種類」のリストにはありません。
    • Watercolor Camel Hair / 水彩キャメルヘアー
    • Watercolor Flat / 水彩フラット
    • Watercolor Palette Knife / 水彩パレットナイフ
    • Watercolor Bristle Spray / 水彩ブリスルスプレー
    • Watercolor Airbrush / 水彩エアブラシ
    • Blend Camel Hair / 混色キャメルヘアー
    • Blend Flat / 混色フラット

「描点の種類」が「描点ベース」のときだけ有効になる項目。詳細は ストロークの種類 のページへ。

  • Single / シングル ― デフォルト。
  • Multi / マルチ ― 置かれたストロークに沿って複数のストロークを生成して描画する。複数ストロークのばらけ具合は ジッター で設定。この数値がある程度はないと同じ場所への上書きになるので意味がなくなる。
  • Rake / レーキ ― 複数のストロークを並行して描画する。動作はブラシコントロールパレットの「レーキ」セクションで設定する。
  • Hose / ホース ― これを選択すると強制的にブラシの種類がイメージホースになる。動作はブラシコントロールパレットの「イメージホース」セクションで設定する。

この項目は「描点の種類」が「描点ベース」のときだけ有効になる。手法・サブカテゴリ という別ページとした。

パラメータの種類は次のとおり。

  • Color / 色 ― これが基本、特定の Dab Type(描点の種類)でこれ以外の選択肢が有効になる。
  • Gradient / グラデーション ― エアブラシ(線状)、エアブラシ(楕円)、レンダー
  • Gradient Repeat / 反復グラデーション ― エアブラシ(楕円)、レンダー
  • Pattern / パターン ― エアブラシ(楕円)、レンダー
  • Pattern With Mask / マスク付きパターン ― エアブラシ(楕円)、レンダー
  • Pattern As Opacity / パターンの不透明度 ― レンダー
  • Opacity / 不透明度 ― 0% - 100% « 表現設定あり。
  • Grain / 粗さ ― 用紙テクスチャを反映する度合い。手法サブカテゴリ で、名前に「テクスチャ」と入っているものでのみ有効。サブカテゴリ名に ハード とある場合は、用紙テクスチャの黒い部分に先に色が乗り、「粗さ」の数値が大きいほど白い部分まで色が乗る。サブカテゴリ名に ソフト とある場合は用紙テクスチャの白い部分に色が乗り、黒い部分には色がつかずに残る。「粗さ」の数値が大きいほど色がつかない部分が多くなる。ハード で「粗さ」を低くするとほとんど描けなくなるので注意。0% - 100% « 表現設定あり。
  • Boost / ブースト ― レンダリング処理によるブラシのみで有効。処理計算を間引いてブラシの重さを軽減する。

ブラシコントロールの複数のセクションで使用される「表現設定」は、特定のパラメータをコントロールする要素を次から選択。ほかのセクションの設定との組み合わせによって、有効でないものもある。

  • None / なし
  • Velocity / 速度 ― スタイラスやマウスを動かす速度。
  • Direction / 方向 ― ストロークの進行方向。これを選択すると、さらに角度設定が有効になる。
  • Pressure / 筆圧 ― スタイラスにかかる筆圧。これがもっともよく使われる。
  • Wheel / ホイール ― Wacom Intuos シリーズのエアブラシペンについているホイールで制御する。このパラメータを使うと、実際のエアブラシのようにホイールで絵具の流量を調節する、といったことができる。
  • Tilt / 傾き ― スタイラスの傾き。
  • Bearing / ベアリング ― スタイラスの先が向いている方向。90 度(右)方向で最小、270 度(左)方向で最大。
  • Rotation / 回転 ― Wacom Intuos シリーズのアートペンが出力する、ペンの中心軸を基準としたペンの回転角度。
  • Source / ソース ― 現在選択されているクローンソース画像の濃淡。作業中のイメージとクローンソースは左上を起点にピクセル単位で対応しており、現在のカーソル位置に相当するクローンソースのピクセルの色の明るさによって表現をコントロールする。明示的にクローンソースを選択していない場合は、選択されているパターンになる。クローンソースの切り替えは「ファイル」メニューの「クローンソース」から。
  • Random / ランダム ― 数値がランダムに変わる。

このほかに、要素の入力の強弱をそのまま反映するのか、逆方向に反映するのかを設定する 反転 というパラメータがあり、上の選択肢のドロップダウンリストの隣にあるチェックボックスにチェックを入れると反転が オン になる。

  • Size / サイズ ― ストロークの太さ。表現設定がない場合のサイズ。パラパラと散布するタイプの取り込みブラシやイメージホースの場合、散布されるイメージのサイズ(取り込み画像の余白を含む)。
  • Min Size / 最小サイズ ― 筆圧などでストロークの太さをコントロールするとき、いちばん細くなるときのサイズ。筆ペンのように筆圧を小さくしたときにうんと細いストロークにするには、ここのサイズを小さくする。
  • Size Step / サイズ刻み ― レンダーブラシ以外は内部的に円形や取り込み画像のさまざまな大きさのものを仮保存して、そのデータを連続して描画することでストロークにしている。あらかじめ作成しておく仮データのサイズの種類が細かく設定されている(サイズ刻みが小さい)と、サイズの変化がスムーズ。いっぽう、あまりこれを細かくすると仮データが大きくなってしまい、ブラシ持ち替えが重くなる。また、表現に回転を加えたブラシの場合、角度設定での「角度刻み」を小さく設定すると、仮データの大きさはサイズ刻みと角度刻みの相乗効果で非常に大きくなり、ブラシ持ち替え時に時間がかかるのみならず、処理しきれずにクラッシュする原因ともなるので要注意。
  • Feature / 密度 ― レンダーブラシのうち、キャメル系とエアブラシ系で有効になる項目。日本語は「密度」となっているが、キャメル系ブラシでは毛の 間隔 になる。サイズが大きいときに密度が小さいと毛の本数が多くなりすぎて、処理がたいへん重くなるので、そういう設定は避ける必要あり。エアブラシ系では 粒子の大きさ になる。

サイズセクションの左上にはブラシの大きさが円で表示されている部分(描点プレビュー)がある。この表示は クリックすることで三段階に切り替える ことができる。すなわち、サイズの最大値(灰色)と最小値(黒)の二重円、最大値のみの円、ブラシの実際の形状(ブラシチップの種類、キャプチャブラシ、ブリスルなど)の三種類。

またこの描点プレビューは、キャンバスの 表示倍率に連動 しているので、ズームアウトして表示倍率が小さくなればそれに連動して小さくなる。

  • Spacing / 間隔 ― 描点を置く間隔。描点のサイズの半径を基準とした割合で設定する。200% のとき、描点サイズと描点の間隔が同じになり、描点は数珠繋ぎ状になる。描点ベースのブラシとリキッドインク系統(リキッドインクエアブラシを除く)で有効。
  • Min Spacing / 最小間隔 ― 間隔はサイズに連動するが、最小値を固定しておくことができる。描点ベースのブラシとリキッドインク系統(リキッドインクエアブラシを除く)で有効。
  • Damping / 滑らかさ ― ストロークの微細なガタつきを滑らかにする。レンダリング処理によるブラシ向けの項目(というふうにヘルプには書いてある)。
  • Continuous Time Deposition / 連続付着 ― スタイラス(マウス)を動かさずにいてもインクが流れ続ける動作のオン・オフ。エアブラシ系統のブラシ用。Painter IX まで動いていたのに、X と 11 では機能していない模様?
  • Cubic Interpolation / キュービック補間 ― ストロークの微細なガタつきを滑らかにする。描点ベースのブラシ向けの項目。

「描点の種類」が 円形 あるいは 取り込み のときに有効なオプション。描点を回転させるためのコントロール。描点の種類に 取り込み を使うキャプチャブラシで回転の要素を入れた場合、実際に描画する前にそれぞれの角度とそれぞれのサイズのデータを生成するので、非常に負荷がかかったりメモリを大量に使用することがあるので注意。

通常のブラシでは 角度刻み が 0 になっているが、このままで他の設定を行うとデータ生成に無限に時間がかかってエラーになるので、まずここを 30 以上などの妥当な数値にしてから作業すること。

  • Squeeze / 厚み ― 円形を 100% としたとき、描点をどのくらい扁平にするか。100% のときは描点は回転しない。

「描点の種類」が ブリスル のときだけに有効なセクション。ブリスルとはブラシを形成している多数の毛に注目したときの、ブラシおよびブラシの毛の総体のこと。設定の変更がどう反映されるのかは、サイズ パレットのブラシ描点プレビューをクリックで「実際の形状」に切り替えておくとわかりやすい。

  • Thickness / ブリスル太さ ― ブラシの太さ全体に対する、それぞれの毛の相対的な太さ。数値が小さいと細い毛がスカスカ状態、数値が大きいと太い毛でみっしり。
  • Clumpiness / 固まり ― ところどころ毛が固まって、太い毛が混じったようになる効果の強さ。
  • Hair Scale / ブリスル倍率 ― 倍率が大きくなると、毛の本数が減ってそれぞれが太くなる。小さくなると毛の本数が増えて細くなる。
  • Scale/Size / サイズ連動 ― 「Hair Scale / ブリスル倍率」が サイズ の変化(最小サイズを設定し、筆圧などで変化するように設定してある場合)と連動して変化する度合い。「0」で変化なし、「100」でサイズに変化の幅が最大。

ブラシからキャンバスにどのくらい絵具が付着するのかを制御するセクション。例外として アーティストオイル混色キャメル系統 を「描点の種類」に使うブラシでは無効。また、Plugin Brushes / プラグインブラシ では挙動はさまざま。

  • Resaturation / 補充量 ― ブラシにのせる絵具の量。
  • Bleed / にじみ ― ブラシがすでにキャンバス上にある色に影響される度合い。
  • Dryout / 色の伸び ― ブラシにのせた絵具が枯渇するまでのストロークの長さ。
  • Brush Loading / 色を拾う ― ブラシがキャンバスの色に影響されるときに、ブラシの下の色を平均した色をブラシにのせるのではなく、ブラシの下にある複数の色の配置をそのまま拾う。

複数のストロークを熊手を引きずった跡のように等間隔で描画するタイプのブラシ。「描点の種類」が「描点ベース」のときに選択可。カラー範囲 をストロークごとに有効にできる。詳細は レーキ のページへ。

  • Contact Ang / 接触度 ― ブラシがキャンバス面に接地する度合い。右端で全部接地。
  • Brush Scale / 間隔 ― 並行する複数ストロークの間隔を設定。
  • Turn Amount / ブラシねじれ ― ブラシを回転させたときに、回転に合わせてレーキの接地位置が変化する度合い。
  • Bristles / ブリスル数 ― 並行して描画されるストロークの数。
  • Spread Bristles / 間隔を広げる ― この項目をオンにすると、筆圧の強弱がレーキストローク全体の幅の太さに反映されるようになる。
  • Soften Bristle Edge / エッジを透明にする ― 並行するストロークのうち、外側のものの太さが細くなり、輪郭も薄めになる。

Painter 11 のランダムパレット

ブラシストロークが描画される上でのランダム要素の設定。

  • クローン位置 ― ブラシの手法が「クローン」であるか、クローンあるいはカラーのパレットで クローンカラー が有効になっている状態のときのみ、この設定が有効になる。クローンソースをコピーする位置のずれの量、ずらす頻度を設定。
  • テクスチャをランダムに使用 ― 反映するテクスチャの位置を描画するごとにランダムに変える。描点の種類が「円形」などの古い(レンダーされない)タイプでのみ有効。
  • クローンソースをランダムに使用 ― 参照するクローンソースの位置を描画するごとにランダムに変えながらクローン。描点の種類が「円形」などの古い(レンダーされない)タイプでのみ有効。

Painter 12 では「ランダム」のセクションの内容が、Painter 11 で上の部分にあった ジッター をのぞいて、他のセクションに分散となった。「テクスチャをランダムに使用」は「一般」に、「クローン位置」と「クローンソースをランダムに使用」は「クローン」のセクションに移動。その結果、Painter 12 には「ランダム」パレットはなく、「ジッター」パネルのみがある。

これはストロークが置かれた中心から、ランダムでずれた位置に描画する、そのずれの範囲の設定。Painter 11 では、「イメージホース」カテゴリのうち、名前に「スプレー」とつくバリアントなどが代表的。

下の取り込みブラシの例では、上がジッター 0、下がジッター 1 で表現設定なし(常に 1 になる)の場合。表現設定も「ランダム」にしたほうが自然な感じになるようだ。

ジッターなし ジッター 1、表現設定なし

タブレットとペン(スタイラス)がなく、マウスのみで Painter を使うとき、ブラシをコントロールするペンからの入力を、このセクションで設定されている数値であるとして、ストロークを描画する。ブラシの「表現設定」で次の項目のどれかが使われている場合、設定された数値が反映される。

  • Pressure / 筆圧 ― 0% から 100% の間で設定。100% で筆圧最大。
  • Tilt / 傾き ― ペン(スタイラス)の傾き。0 度で垂直に立っている状態、90 度で完全に横に寝ている状態(実際のスタイラスでは不可能)。
  • Bearing / ベアリング ― ペン(スタイラス)の先が向いている方向。0 度で左。
  • Wheel / ホイール ― エアブラシタイプのスタイラス(ホイールがついている)のホイールの状態。0% から 100% の間で設定。

クローンとは元画像(クローンソース)のデータを現在作業中のファイルにコピーすること。そのコピーをする上で、Painter ではさまざまな位置移動や変形をかけることができる。このセクションの設定はブラシだけでなく、クローンソースを使って塗潰し をするときにも有効。

  • Normal (0) / 標準(0)
  • Offset (1) / オフセット(1)
  • Rotate & Scale (2) / 回転&拡大/縮小(2)
  • Scale (2) / 拡大/縮小(2)
  • Rotate (2) / 回転(2)
  • Rotate & Mirror (2) / 回転&対称(2)
  • Rotate, Scale, & Shear (3) / 回転,拡大/縮小,歪み(3)
  • Bilinear (4) / 双一次(4)
  • Perspective (4) / 遠近法(4)
  • brushes/brush_parameters.txt
  • 最終更新: 2011/07/04 04:50
  • (外部編集)