アーティストオイル
Painter IX で追加されたブラシエンジン。ブラシコントロールのうち、「General / 一般」セクションの「Dab Type / 描点の種類」から選択できる。
Painter 8 で搭載された ミキサーパレット を使ったユーザーから、ミキサー内のブラシを通常の描画でも使えるようにしてほしい、という要望が出て、ミキサーのブラシを出発点として開発された。(Painter 8 のミキサーの開発は、その後 ArtRage を販売した Ambient Design による。当時の Ambient Design のサイトに業績として記述があった。)
このブラシの挙動は主にブラシコントロールの「アーティストオイル」セクションで設定する。以前からある「塗料」のパラメータには影響されない。
関連するブラシカテゴリ・バリアント
- アーティストオイル カテゴリの各 バリアント。
このブラシの特徴
このブラシエンジンの特徴には次のものがある。
- キャンバス(レイヤー)上にすでに置かれている絵具の量と、ブラシに乗っている絵具の量との相互作用を再現しようとするブラシである。
- 透明レイヤー上で混色したとき、不自然な白や黒が混じらない新世代のブラシ。
- ミキサーから 多色スポイト で色を拾うと、複数の色がミキサー上の並びのとおりにブラシに反映される。
- キャンバスからブラシが絵具を拾うことによって、ブラシに乗っている絵具の色が変化する。
- 色移り モードをオンにすると、キャンバスから色を拾って色が混じった状態のブラシの色が継続する。オフになっていると、新しいストロークになるごとに現在の選択色(あるいはミキサーから拾った複数色)に初期化される。
- 混色の計算 が実際の絵具に近い、専用 のものになっている。下の例では、上がアーティストオイル、下が以前からあるキャメルヘアブラシによる混色。いずれも左の色を先に置き、右の色を置きながら中央に向かって混色した。
主な関連ブラシコントロール
サイズ
- サイズ ― ブラシの太さ。
- 最小サイズ ― ブラシの太さが変化するときの最小値。100% で変化しなくなる。最小サイズを小さめにしておいて 表現設定 を筆圧などにしてコントロールする。
- ブラシチップ ― 右の並んだ形状アイコンのうち、下半分の 6 種類がアーティストオイル用。どれかを選択。
アーティストオイル
Paint / 絵具
- Amount / 量 ― ブラシに乗る絵具の量。「塗料」の「補充量」にあたるパラメータ。
- Viscosity / 粘り ― 絵具の粘性。粘りが低いと絵具がよく伸びる。
- Blend / 混色 ― すでにある色との混じりやすさ。
Brush / ブラシ
- Bristling / ケバ立ち ― この数値が大きいと、筆先が不揃いになる。ストロークの最初と最後の形状に影響する。
- Clumpiness / 固まり ― この数値が大きいと、筆に固まった部分があるような表現になり、絵具量の濃淡がストロークにそって出る。
- Trail-off / 尾かすれ ― ブラシから絵具がなくなるときの挙動をコントロールする。粘りがある程度ないと変化がわからない。アーティストオイルブラシの場合、この数値が大きいと滑らかに絵具が薄くなり、小さいと急にとぎれる。(キャンバスの色を引きずらない透明レイヤー上のほうが違いがわかりやすい。)
Canvas / キャンバス
- Wetness / ウェット ― キャンバスやレイヤーにすでに置かれている絵具が、どのくらいウェットで、ブラシに拾われるかをコントロール。キャンバスの場合は透明部分がないので地色の影響の度合になる。
Dirty Mode / 色移り
- オン でキャンバス(レイヤー)から拾った色がブラシに残りつづける。オフ でストロークごとにブラシの色がリセットされる。