
(クリックでパターン表示)
オフセットつきのパターンの作り方がわかった(直前の投稿 参照)。となると次は、ちょっと前にはまってた Painter 12 の万華鏡機能を使ったパターン作成と組み合わせてみたい、となるわけで。
万華鏡モードによる六角形をベースにしたいので、キャンバスの大きさは 200 x 173 (2 : ルート 3)としました。水平方向に 50% ずらして[パターンの取り込み]を行ったあと、保存されたパターンを[パターンの確認]で開き、まず中央に対称面 6 枚で万華鏡モードで描画、その後、空いた部分を中央に移動して対称面を 3 枚に減らして加筆、さらにもうひとつの空きも同じように埋めました。
リンク先のサンプル表示のページで使用している背景画像は、ブラウザでも繰り返しになる大きさで切り出してあります。
パターンタイルそのものは下の画像です。Painter で開いて全選択の上、[パターンの取り込み]を水平方向オフセット 50% で実行すると、継目のないパターンになります。


(クリックでパターン表示)
気にはなっていたけど、とりあえずわからなかったので、「また後で研究してみよう」と思ってそれっきりになってたことのひとつが、Painter での オフセットあり、かつ、シームレス(継目なし)なパターンの自作方法でした。この画像は 400 x 400 ピクセルですが(クリックでページ全体でパターンを表示)、縦横 200 ピクセルのパターンで、「水平方向にずらす」を 50% にして登録したものが、もとのデータです。
けっこう重箱の隅をほじくりまくっているつもりだったんですが、今ごろやっと発見。ユーザーガイドにも言及がありません。もったいない。すごく使える機能だと思うのに。
ともかく、サクッと手順を。(Painter 12 の[パターン]コントロールパネルでの作業は、Painter 11 までのパターンパレットで行えます。)
- 作りたいパターンのタイル(繰り返しの元となる単位)のサイズで新規ファイルを開く。
- [全選択]を実行(Ctrl+A)。
- [パターン]コントロールパネルのメニューから、[パターンの取り込み]を実行。このときに提示されるダイアログで、「水平方向にずらす」あるいは「垂直方向にずらす」を選択した上、下のスライダでずらす量を指定、その後、名前をつけてパターンとして保存。
- パターンのリストで、さっき保存したパターンを選び、[パターン]コントロールパネルのメニューから[パターンの確認]を実行。新しく開いたファイルでその後の編集を続ける。(いったんパターンとして登録したので、Space+Shift でキャンバスをずらしながら、継目のないイメージとして編集できます。)
- 編集しおわったら、[パターン]コントロールパネルから[イメージをライブラリに追加]を実行、名前をつけてライブラリに追加保存します。
とりあえず、どんなふうにズレるのかを Painter 上で確認したいかたは、下の画像をローカル保存して、次の手順で試してください。
- Painter でこの画像を開く。
- [全選択]して[パターンの取り込み]を実行。
- このパターンは水平方向のずらし量 50% で作成したので、これと同じずらし量を設定してパターンとして登録。
登録できたら塗潰しなどで試してください。パターン登録してからスライダでずらし量を変更すると、作成時と違うずらし量であるために、塗潰したときに模様がうまく繋がらなくなるのを確認できると思います。


「パターンの不透明度」を使うタイプのブラシ(パターンチョークをちょっとだけカスタマイズ)でレースを描いてみました。描点が「レンダー」のブラシは描き始めのところでダマになるので、広めの範囲に描いて外から消しゴムかけたほうがうまくいくようです。うまくつなぐのはほとんどムリかも。
ディズニー映画の「プリンス・オブ・ペルシャ 時間の砂」の強がりなタミーナ王女のイメージで。衣装が豪華でした。
使ったパターンファイルは下の 2 つです。いずれもローカル保存の上、Painter で開き、パターンとして「取り込み」をすればすぐに使えます。



ちょっと前に PNG ファイルをミキサーデータに変換するスクリプト を公開したのですが、そのアイデアが Jitter Brush の David Gell さんを通じて Studio Chris の Chris さんに伝わり、Chris さんが Adobe AIR 利用のツール、MXSMaker を作成、このたび公開となりました。(Chris さんからはきちんとわたしにコンタクトがあり、アイデアやコードの使用を認めてあります。)
最近の Adobe 製品をインストールしてある環境なら Adobe AIR も入っていますので、このツールが簡単に使えるようになります。このツールを使うとローカルのパソコン上で(わたしが提供しているスクリプトをブラウザから使う、という手間なしに)、画像を Painter のミキサーパッドのデータに変換できます。
Adobe AIR 環境がないかたは、うちの変換ツールをどうぞ。
ここでミキサーに表示している絵は、らくがき Gallery の 石段と雑草 です。
Thanks Chris, for expanding my idea into a great tool!

Painter のテキストツール、いまだにちょっと非力と感じられる部分もありますが、IX あたりで安定するまでにいろいろ改善されてきてはいます。でもって、IX で「パスをなぞる」(ブラシの描画がパスの上のみに固定される)機能がついたので、テキスト > パス > これをなぞる、という操作が可能になっています。
今回の作例ではこのあたりと、ダイナミックプラグイン(プラグインレイヤー)の「Bevel / 勾配」を組み合わせてみました。
使ったもの ― テキストツール、Book Antiqua フォント、カスタムブラシ(Soft Jitter)、カスタムブラシ(Sand)、写真から変換した 用紙テクスチャ(小花)、ダイナミックプラグイン(勾配)。
- 新規キャンバスを開き、テキストツールを選択、「P」を入力。フォントの種類とフォントサイズを調整する。
- 入力したテキストを、レイヤーパレットメニューの「テキストをシェイプに変換」で変換。
- テキストから変換されたシェイプはグループ化されている。まず、このグループの表示の不透明度をじゃまにならない程度にまで下げておく。また、このままでは「パスをなぞる」ときの対象にならないので、グループ化をはずしておく。
- 「P」のシェイプを複製し、このひとつに対して「シェイプ」メニューから「選択範囲に変換」を実行。
- 選択範囲に対して、カスタムブラシ(Sand)で用紙テクスチャ(小花)が出るように薄く着色。さらに新規レイヤーをフィルタモードで重ねて色に変化をつける。
- 選択範囲を解除。新規レイヤーを作成、カスタムブラシ(Soft Jitter)で「P」のシェイプを使って、「パスをなぞる」機能をオンにして(ブラシのプロパティバーから)、描画。
- この揺れのある線のレイヤーに対してダイナミックプラグイン(レイヤーパレットの下に並んでいるアイコンのうち、「差込プラグ」のアイコン)の「勾配」を起動。「縁取りの領域」を少しつけ、色も合わせる。

Painter のダイナミックレイヤーのひとつ、「万華鏡」を使って描いてみました(クリックで少し大きいサイズを表示)。
「ダイナミックレイヤー」は、Photoshop の「調整レイヤー」のように、その下にある画像のデータを変更することなく、さまざまな効果を加える特殊レイヤーのひとつです。この「万華鏡」は、ダイナミックレイヤーの下の中央上から左へ 45 度の範囲に描かれたものの両側に鏡を置いた形で、ぐるりと複製します。
この結果、中央上左部分に描画したものが 8 回繰り返される(うち、4 回は反転状態)のですが、中央上部分のみに限定すると単純な鏡像を得ることができます。
ダイナミックレイヤーの処理をこの部分のみに限定することができないので、処理が重くなりますが、Painter IX 以降で確認したところ、一辺が 4000 の「万華鏡」を設定できることを確認しました。(さらに上のサイズは未確認。)
「万華鏡」のサイズはキャンバスのサイズを超えることはできませんが、万華鏡レイヤーを設定後にキャンバスサイズを削ることはできるので、単純な鏡像ができる部分のみを残してキャンバスを削ったファイルをテンプレートにしておけば、有効部分について悩むことなく鏡像を描くことができます。お試し用のテンプレートも ダウンロード できます。
このテンプレートは David Gell さんの Mirror Pad に触発されて作成しました。

縁取りは、植物のマスク付パターンを作って、ハートのシェイプをなぞって描いたものです(クリックで拡大)。
マスクつきパターンを作るには、次の手順で。
- 適当な大きさの新しいキャンバスを開く。パターンパレット、あるいはパターンセレクタのメニューから「パターン化」を実行。
- 新規レイヤーを作成。
- ベタ塗り系の(不透明度が高い)ブラシ(ペン系がわかりやすい)で、透明レイヤーの上に文様を描く。ペンパターン用のものは、左から右へ横長で作成する。
- いったんファイルを保存。レイヤーメニューから「固定して選択」を実行。パターンメニューから「イメージをライブラリに追加」を選択。名前をつけて保存。